テレクラ放火4人死亡事件、実行犯リーダーに無期懲役判決(2008年12月8日16時27分 読売新聞)
岡田信裁判長は「凶悪極まりない犯行で、罪責は重大だが、殺意は未必の故意にとどまる」として、無期懲役(求刑・死刑)を言い渡した。
判決によると、坂本被告は、別のテレホンクラブを経営していた中井嘉代子被告(67)(1審判決・無期懲役、控訴中)の依頼を受け、実行犯の男3人(2人は無期懲役判決が確定、1人は殺人罪などで起訴)に、リンリンハウスの営業妨害を指示。00年3月2日朝、神戸駅前、元町両店に火炎瓶を投げ込ませた。
この放火行為は極めて危険性の高い行為だったと思います。
放火の指示を認める以上は、そもそも「未必の故意」の土俵に乗るのかどうかが疑問ですし、合計4人も殺害して未必の故意を理由に情状を酌量する感覚にも同意できません。
ちなみに、言いだしっぺの中井嘉代子被告人も死刑求刑に対して無期懲役の判決なんですが、その判決を言い渡した裁判長も同じ岡田信裁判官なんですね(産経ニュース)
一貫しているといえば一貫してますけどね。

有罪認定に自信が持てなかったので、または、その証拠から有罪と強弁するのがさすがに恥ずかしくなったので、良心の呵責から死刑を回避した可能性が考えられます。
そうであれば、本来、敢然と無罪を言い渡すのが筋であり正義であることは言うまでもないのですが、その当然のこと、法学部1回生にも常識であることができないあたりが、刑事司法の病巣の深さを示しています。
2000年3月に発生した事件の地裁判決が今出るなんて、裁判に時間がかかったのか、それとも捜査に時間がかかったのか……というのが、まず率直な疑問でしたが、
http://osaka.nikkansports.com/otn/p-ot-tp6-060211-0041.html
を見る限り、捜査に時間がかかったようですね。
被告人の逮捕は2006年2月みたいですから、事件発生から逮捕まで約6年かかっています。
この被告人が逃亡していたという事実はないようですから、捜査機関がこの被告人を「怪しい」とか「こいつが実行犯のリーダー格に違いない」などと思いつつも、逮捕するまでに証拠を集めるのに6年もかかったということだと思います。
判決が妥当か否かは知りませんが、証拠の貧しい部類に入る事件だったのではないかと想像してしまいますね。
犯情として、1人だけを確実に殺そうという確定的故意で流れ弾で数名を巻き添え死亡させた事案と、数人が死ぬかも知れないという未必の故意で数名を死亡させた事案とでは、どっちが悪いだろう?
私としましては、本件では、そういう主観面より客観的な行為の危険性を重視したいという考えです。
「火炎瓶を投げ込めば建物が火災になり、中にいる人間が焼死するかもしれない」くらい予想していれば、火炎瓶の投擲行為には十分確定的犯意(殺意)があったと判断しても良いと思うのですが・・・
本件のような事例であっても、「~なるかもしれない」と言ったら未必の故意になってしまうんでしょうかね。
確かに現住建造物(法文で人が現在する建造物を含むもの)への放火は、未必的殺人の故意が内在していると看做してよいくらい極めて危険なので、多数の人がいる(はずの)テレクラへの放火は多数焼死の危険が大ですね。
青森のサラ金で脅迫の手段としてガソリン巻いて火を放った事件を思い出しました。
犠牲者の方々に合掌。m(_ _)m 黙祷。