ネット書き込みで名誉棄損、二審は逆転有罪 東京高裁(asahi.com 2009年1月30日17時17分)
一審判決は、この記載内容について、同罪に当たるとしながらも、内容が真実かどうかについて、ネットの個人利用者に要求される水準の調査を行った場合などは刑事罰に問えない、とする新たな基準を示した。
「ネットの個人利用者に要求される水準」というのがいまいちピンと来ないのですが、いわゆる真実性の証明のハードルを下げた基準(つまり名誉毀損罪になりにくい)のようです。
これに対し
しかし、高裁判決は「ネットの個人利用者に限って、基準を緩和する考え方には賛同できない」として一審判断を覆した。
私も、同意見です。
自由であることと無秩序であることは別物と考えています。
ところで、被告人は罰金30万円の有罪判決に対して上告する方針のようですが、弁護士を依頼するのであれば弁護士費用は30万円をとっくに超えていると思います。
ゼニカネの問題ではないということのようですが、どういうところにこだわっているかについても興味があります。
これはヤジウマ的興味ですが(^^;

何を言っているのか良く分からない判決でした。
これは、宗教団体「日本平和神軍」と、それに関係があるグロービートジャパン株式会社を批判した平和神軍観察会のホームページ管理人が逮捕された事件ですよね。
記事中には「ラーメン店をフランチャイズ展開する都内の企業が、宗教団体と関係があるとする虚偽の内容を書き込んだ。」とありますが、地裁判決の段階では
日本平和神軍の教祖中杉弘こと黒須英治がグロービートジャパン(GJ社)株式の51%を所有し、設立時にはそれ以上の資本関係にあった
GJ社から年6000万円といった多額の資金が株式の配当名目で教祖に支払われている
教祖が代表を務めていた会社に、内装工事費として年2000万円程度の支払いがある
GJ社社長の妻は、高校時代より平和神軍の関連団体に傾倒しており、子供(教祖の孫)と一緒に平和神軍の集会に出席していた
という関係が認定されています。つまり「関係はあるが一心同体とまでは言えない」という認定です。
株式の保有比率や教祖に支払われた配当金額の認定がコロコロ変わるとも思えないので、二審でこのあたりの認定が変更されているとは思えません。
一般的に言えば、教祖が51%の株を持っている会社って、その教祖個人の「関連会社」と呼んで差し支えないでしょう。もっとも、教祖個人ではなく宗教団体と「一心同体」かと言えば、そこまでの証明にはならないのも確かですけれど。
で、日本平和神軍といえば、イオンド大学(笑)
日本平和神軍とイオンド大学を「一心同体」とは書きませんが、一定の関係があると言われています。
いわゆる学位商法、ディプロマミルの一つです。
実は私の職場にも以前イオンド大学から案内が来たことがあるのです。「教授になりませんか」という。
「名誉教授」が年間10万円、「教授」が年間20万円。報酬額ではないですよ、それだけ登録料を払ってくれれば、「名誉教授」「教授」の肩書きをあげますよという、なかなか笑えるダイレクトメールでした。
イオンド大学
http://www.iond-univ.org/
そして、「教員」の紹介
http://www.iond-univ.org/professor/index.html
未知現象研究学部に催眠学部ですからねえ。
要するに、一言で言えば、日本平和神軍にしろイオンド大学にしろ、カルトなわけです。ところが、それを批判したら(批判のしかたに暴走気味な部分があったことは事実でしょうが)逮捕されて有罪になってしまった、という事件です。
事実関係はinti-solさんの言うとおりです。
このような事実関係が全く報道されていないのが奇妙です。背後にカルト宗教が絡んでいることを知らない人が多いのではないでしょうか。
新聞には「いつもあるようなネットの名誉毀損」程度に簡単な説明記事しか載っていなかったので、最初見たときは例の裁判の二審と気付きませんでした...
> このような事実関係が全く報道されていないのが奇妙です。
>背後にカルト宗教が絡んでいることを知らない人が多いのではないでしょうか。
それどころか、高裁判事はホームページと掲示板(2ちゃんねる)の区別が付いていないのではないか?という話すら出てます。
これが記者に弁護団が特に「お願い」としたくらいで、最初から「誹謗中傷サイト」のような記事もありました。
記事中に「批判サイト」という言葉が無く「誹謗中傷」とだけ書けば、掲示板の匿名記事と区別すること自体ができません。
事件の背景以前の問題も報道に多数ありますよ。
そして、それが裁判所の判断にもなっていると考えても良いでしょう。
結局は、警察は「インターネットで批判なんかするからだ」という路線で始まった「事件」が高裁判決まで続いているとも言えます。
要するに「インターネットで批判などしてはいけない」でしょうよ。
本件では、批判対象がアレっぽいので批判者に同情が集まる傾向があるかも知れませんが、一般的な判断基準としては、何の落ち度もないのに批判の対象にされる人のことを想定すると、ネットとそれ以外を区別する理由が見あたりません。
個人的には迷うところです。
ネットの個人利用者に対してマスコミと同程度の調査を求めるのは土台無理な話です。
しかしネット上での表現は通常、誰でも見ることができる。
いわば我々ネットの個人利用者は身の丈にあわない武器を所持している、と言えるかと思います。
そのような状況下で、ネットの個人利用者に過度の調査義務を課した場合、かえって萎縮的効果を生じるような気もします。
ネット上の主張の信用性は通常割り引いて評価されている現状等も含めて考えると、従来とは異なる基準を設定しても良いようにも思います。
もちろんハードルを下げるのは必要最小限度にとどめるべきではありますが。
迷ってる途中なので結論は留保します
一般論で言えば、ネットと一般社会で判断基準を区別するのは確かにおかしいとは思います。ただ、ネットであれ一般社会であれ、日本平和神軍というカルト宗教と、その関係団体であるイオンド「大学」に対する批判が結果的に刑事罰の対象となることは、どうなのかなと思います。
それから、名誉毀損関係の裁判にいくつか関与したことがありますが、基本的に金銭の損得勘定の問題ではないでしょう。費やす労力と、勝訴で得られる賠償金額を比較したら、金銭的には割が合わない。それでも裁判を起こしたり受けて立ったりするのは、文字どおり「名誉」の問題だからです。まして、今回は刑事裁判ですから、「犯罪者」になるか否かという問題も絡みます。
メディアリテラシーが身に付いていれば、インターネットに流れる情報の信憑性には疑問符を付けるべきであることを容易に理解できますが、現実には「インターネットには実社会では隠蔽されている真実がある」と信じるネット信仰が根強く残っており、ネット上での主張の方が影響力が強い場合もあると思います。
例えば、「9.11テロはユダヤ資本を影で操る世界委員会の自作自演!!」なんて主張は実社会では「ムー」くらいしか載せてくれませんが、「ムー」という公開媒体そのものの信用性が低いので、その記事を信じる人なんて極々僅かでしょう。
ところがネット上での主張の場合、媒体の信用性には左右されませんから、真偽不明な情報でも、もっともらしい内容であれば信じる人は多くなります。
そのような点から考えれば、ネット上での情報発信の利点を考慮したとしても、その信用性の確保に実社会での情報発信と同様の義務が課せられることは何ら不自然では無いと思われます。
私なりに納得できる着地点としては、
結局、アレな対象を批判する場合でも、名誉毀損にならないように注意しろということですか。
どの辺が名誉毀損になるかならないのかのキモなんでしょう。
私、素人なので、とりあえず調べ始めてみますか・・・
>ただ、ネットであれ一般社会であれ、日本平和神軍というカ>ルト宗教と、その関係団体であるイオンド「大学」に対する>批判が結果的に刑事罰の対象となることは、どうなのかなと>思います。
ちょっと理解できません。疑問符です。
本件で有罪判決が(未確定にせよ、一度は)出たという事実に即してリスクマネジメントとして考えた場合、報道機関ではない一私人たるネットユーザーとしてとるべき行動は、
「調べた結果明らかになったことまでしか書かない」
でしょうか。
本件の判決文(一審含め)や背景となる事実関係はよく知らなかったのですが、No.2 inti-sol様ご紹介の情報に即していえば、資本関係や人的関係などの具体的な事実について、十分なソースに基づいて判明した限りで書くことは問題なかったはずです。
「その宗教団体と関係がある」 と断定してしまった点をもって真実性の証明がないとされたのであれば、そのような推測や総合評価にわたる表現まで踏み込まないのが吉、ということになるでしょう。
調査の結果、明らかになった事実関係だけを並べて、あとは読者の評価に委ねる、というのが望ましいスタンスだということができるかな、と。
> 「その宗教団体と関係がある」 と断定してしまった点をもって真実性の証明がないとされたのであれば、そのような推測や総合評価にわたる表現まで踏み込まないのが吉、ということになるでしょう。
判決文全文を読んでいないので、あくまでも推測ですが、「関係がある」ことは一目瞭然否定しようもなく、両者が「一心同体である」という類の表現、あとおそらくはそれに付随する罵倒暴言などが問題となったのではないか、と。
資本関係や人的関係などの具体的な事実について、
十分なソースに基づいて判明した限りで書くことは
問題なかったはずです。
「その宗教団体と関係がある」 と断定してしまった点をもって
真実性の証明がないとされたのであれば、
そのような推測や総合評価にわたる表現まで
踏み込まないのが吉、ということになるでしょう。
まだ判決文を見ていないし、傍聴も出来なかったので正確ではないのですが
ご指摘の骨子である、宗教団体批判として会社が関係しているとしたので
当然、宗教団体と会社の一体性についての説明があるのか?という問題になります。
これについて高裁判決では
「クリックしないと見えないところにあるのだから、説明が不十分だ」
と言っていると言うのです。
真意というか具体的な対策が考えられないような判決なんですよね。
なんか、本の中身に書いてあることは無視して、表紙の文言が名誉毀損であり
中身を読むのは面倒だから、評価する必要がない。
というのとどこが違うのか分からないのです。
No.13 inti-sol 様
確かに、その程度の表現を名誉毀損の実行行為とするのは不自然ですね。
記事の 「宗教団体と関係があるとする虚偽の内容」 というのは要約し丸めた表現ということでしょうか。
No.14 酔うぞ 様
本件の主要な(法解釈上の)争点は、「真実性の立証」の程度だったと思いますので、そういう判示部分があったとしても、それが有罪の直接的な理由になっているのか疑問ではありますが。
仮にそういう判示部分があったとしたら、その部分だけ一人歩きしたら、マスコミ報道の記事の見出しなんて(某スポに限らずw)、多数引っかかってしまいそうですね。
いずれにしても、全文を見てみないことには材料不足のようで、若干先走ったコメントでした。失礼しました。
(骨子としての 「自衛策としては、判決で真実性の立証がないとされたような表現は控えるべし」 という点を修正・撤回するものではありませんが)
なぜそのような事をしていたのか分からないのですが。最初から情報を全て開示すればいいと思うのですが、なぜ、クリックしないと見えないところに掲載したのでしょうか。
意図的に情報を隠したと言うことなのでしょうか。
個人的には、これだけの事を言うには、よほどの証拠が必要なのだなと思います。
http://web.archive.org/web/20021220160946/http://es.geocities.com/dempauyo/
http://web.archive.org/web/20030406193235/es.geocities.com/dempauyo/what.htm
それはそれとして「クリックしなければ見られない場所」というのは、単なるリンク先だったのですね。これは私の誤解でした。申し訳ありません
モトケンさん、すいません。コメント書き込んだのですが、承認が必要なようです。よろしくお願いします。
>なぜそのような事をしていたのか分からないのですが。
>最初から情報を全て開示すればいいと思うのですが、
>なぜ、クリックしないと見えないところに掲載したのでしょうか。
どこに疑問を持たれているのか、分からないのですが、インターネットHPでクリックしないで全部の記事が読めるところなんてありませんけど。
間違いなく、紀藤弁護士は、無償で上告の弁護を引き受けると思います。間違いなく。
彼はそういう人です。
そして、被告人は経済的には裕福とは言えず、普通の訴訟維持能力は勿論ありません。
弁護士費用も、紀藤弁護士がおそらく大負けに負けているはずです。