「淫」が常用漢字に仲間入りした理由(asahi.com 2009年1月31日23時2分)
非常に週刊誌的な見出しだな、という感じはしますが、それはさておき、ひっかかったのは以下の一文。
191字の中で、採否が最も話題になったのが「俺(おれ)」。「公の場では使わないから入れなくてよい」という意見と「日常生活ではよく使うから入れるべきだ」という意見がぶつかった。
公用文のための漢字であれば、「公の場では使わないから入れなくてよい」という意見に反対はしませんが、常用漢字というのはそういうものじゃないんじゃないですか。
こういうお上的発想の上から目線の意見を吐いたのは誰なんでしょう?
で、「俺」が入ったのか入らなかったのか気になったので探しましたが
新常用漢字表試案、追加191字 丼・那・冶・呂・苛...(asahi.com 2009年1月16日21時10分)を見ると入っているようですね。

昔、「魅」という字を常用漢字に入れるか入れないか、という議論になった時、ある委員(お名前を失念しました。確か高名な作家だったと思います)が「この字がなくなると、日本語に魅力がなくなるネ」と仰ったので入ることが決まった、という話を「深代惇郎の天声人語」(正か続のどちらか)で読んだことがあります。(原典を探してみます)
判決文で「俺」を使うことって、結構あると思いますよ。
(事件関係者の発言の引用で)
投稿時点で確認できる範囲において、「俺」の扱いが議題になったのは、文化審議会国語分科会漢字小委員会・第22回乃至第24回のようです。申し訳ありませんが、私の能力では機微が伝えきれないので紹介に止めます。m(__)m
公文書では使わないという見解については、『公用文における漢字使用等について(昭和56年10月1日付事務次官等会議申合せ)』によれば、確かに公文書としては使用しない事になっていますから、価値判断としての賛否は別として、理解できなくはない発言かと思います。
邪推かも知れませんが、結局のところ裁判関係で作成される書類については(或いは霞ヶ関で作成される文書しか)念頭におかれていなかったのかも知れません。捜査や裁判関係の公文書でも、あくまでも引用に止まる範囲かと思いますし。