神戸のテレホンクラブ連続放火殺人、首謀者の女に2審も無期懲役(2009年3月3日11時23分 読売新聞)
1審判決は、事件5日前に神戸市内の飲食店で中井被告や坂本被告らと同席した下見役(45)の証言から、事前の謀議があったとして共謀の成立を認定。中井被告が以前、両店と同じ場所でテレクラを経営していたことから店の構造を知っていたとし、「火炎瓶が投げ込まれれば、死者が出ることを容易に想像できた」と殺意を認定。ただ、「死傷者の発生は本意ではなく、殺意の程度は高くなかった」と死刑を回避した。
「火炎瓶が投げ込まれれば、死者が出ることを容易に想像できた」と殺意を認定。
という認定と
「死傷者の発生は本意ではなく、殺意の程度は高くなかった」と死刑を回避した。
という結論がどうにもしっくりきません。
「容易に想像できた」というのは「想像していた」という認定であるはずです。
「容易に想像する可能性はあったが、実際には想像していなかった」というのであれば故意は認められないはずです。
つまり、故意を認定したということは、裁判所は
火炎瓶投げ込み → 火災発生 → (必ずしも1名とは限らない)死傷者の発生
という因果関係を被告人は認識・認容していたと認定したものと認められます。
そしてその結果4人が死亡したわけです。
殺意が未必的であったことを死刑回避の理由にしたいようですが、殺意が未必的かどうかは、つまるところ実行行為の客観的危険性の程度とその認識の問題であると考えています。
となると、本件では、この被告人が実行犯らによる放火行為とその危険性をどの程度認識していたかが主要な問題であると思われます。
しかし、新聞記者の要約に基づいて裁判官を批判しても仕方がないかも知れません。
事前謀議の内容を精査してみないと死刑の当否の判断は困難です。
しかし、明確な計画に基づいて雑居ビルに火災を起こさせる程度の放火行為を行ってその結果4人死亡したという事件であれば、首謀者の死刑を回避する理由はないと思います。
ただし、本件が被告人にとって「明確な計画に基づいて雑居ビルに火災を起こさせる程度の放火行為を行った」事案であるかどうかは問題になります。

このような事件の場合、「首謀者」が一番罰せられるべきだと思えます。
実行犯も確かに重罪に処せられるべき事案ではあります。
(言い出しっぺの気持ちに拍車をかけたかも知れませんし)
そもそも、首謀者の企図がなければ、こんな事件も無かったのかもしれないですし。
単純に罪一等を負荷するという感じではいけないのでしょうけど、実行犯が無期懲役(リーダー格はこれでは甘いかも)であれば、「首謀者」は「死刑」相当ではないでしょうか。
このような事件では、被告人側の気持ちとして、「結果論として4人も死んでしまい重罪をかけられる」ということは、感じないでしょうか。
たまたま避難誘導が適切になされ、死亡者が発生しなかったとしたら・・・。
ここら辺の結果論云々の話は、
>この被告人が実行犯らによる放火行為とその危険性をどの程度認識していたかが主要な問題であると思われます。
という問題の審理次第だということでしょうけど。
TVニュース等で映像ではかなり印象に残っている事件ですが、裁判内容を知らない、素人の表面的な感想かもしれません。