このエントリでは、虚偽記載に言う「虚偽の意味」について考えてみます。
(このエントリは、「虚偽記載とその故意(その1)」の続編です。)
水口洋介弁護士のブログ(夜明け前の独り言 水口洋介)のエントリ「政治資金規正法の虚偽記載の故意とは?」をたたき台として使わせていただきます。
水口弁護士は、まず虚偽記載の罪が「形式犯」であることから検討されています。
「形式犯」とは何かですが、手近なところで、ウィキペディアの定義を引用します。
保護法益の侵害や、危険の発生が成立の要件とはされない。一定の法益を保護するために、一定の行為規制を守らせることとし、かかる行為規制への形式的な違反をもって犯罪とするものである。
水口弁護士の「形式犯」の定義がウィキペディアの定義と同様かどうかは不明ですが、
これはいわゆる形式犯ですから、虚偽であるか否かは形式的な事実認識が問われるはずです。
と述べられています。
これは、ウィキペディアの定義の「かかる行為規制への形式的な違反」に対応しているように思われます。
しかし、「形式犯」は一定の実質的な法益侵害結果(またはその危険の発生)を必要とする「実質犯」の概念に対比されるものであり、「形式犯」の形式犯たる所以は「一定の行為規制を守らせること」にあるのであって、行為規制が守られているかどうかの判断基準が形式的であることを要するものではない、と私は考えます。
形式犯の典型例として「運転免許不携帯罪」が挙げられていますが、この犯罪の場合は、行為規制が「免許証を携帯すること」、つまり免許証を少なくとも運転中の車の中に置いていることが要求されておりその違反が問題になりますから、形式的判断で足ります。車の中にあるかないかだけを確認すればいいのですから。
では本件で何が問題になるかというと、献金者についての虚偽記載の有無です。
献金者についての虚偽記載の有無とは、献金者と誰それから献金を受けた旨の収支報告書の記載が一致するかどうか、という問題です。
一致するかどうかの前提として、献金者は誰かという問題と収支報告書の記載上誰から献金を受けたことになっているかが確定される必要があります。
その確定なくして一致しているかどうかの判断ができないからです。
献金者と収支報告書の記載が確定した後の一致するかどうかの判断においては、さきほどの運転免許不携帯罪の成否の判断と同様に「形式的に」判断することが可能だと思われます。
しかし、一致判断の前段階の「献金者は誰か?」という問題場面においては、形式的判断基準で判断しなければならない論理的必然性はありませんし、形式的基準で判断することはできないだろうと思います。
この問題状況を運転免許不携帯罪の成否にあてはめますと、仮に運転者が運転免許証(に一見して見えるもの)を持っていたとしても、それが当該運転者にとって有効かどうかの問題と似ています。
仮に、有効なものでなければ(例えば偽造免許証)、やはり運転免許不携帯罪は成立するのであって、その場合に運転免許証が有効かどうかは必ずしも形式的判断では答がでません。
したがって、「これはいわゆる形式犯ですから、虚偽であるか否かは形式的な事実認識が問われるはずです。」というご意見には直ちに賛成できかねるところがあります。
では、とういう場合に虚偽と言い得るのかという点が次に問題になります。
こういう場合は、極端例から考えていくというのが私の常套手段です。
(1) 西松建設が、全く存在しない架空の政治団体名義(仮に、A政治団体)で献金をした場合は、A政治団体こと西松建設と認定することが容易だろうと思われます。
その場合は、真実の献金者は西松建設、収支報告書の献金者はA政治団体となって、虚偽記載と言えるという結論に異論を挟む論者はいないだろうと思います。
(2) 次に、二階俊博・経済産業相との関係で報道されているように、仮に、西松建設の総務部幹部が実在の同社の社員や家族らの名義で、社員らの承諾を得ることなく献金していた場合は、その献金は社員らの金であるというわけにはいかず、また社員らの意思に基づかないわけですから、社員らの献金であるということはできず、社員らを献金者として収支報告書に記載した場合は、結局、虚偽記載になるという点についても異論を見ないのではなかろうかと思っています。
(3) 次に、本件の検察の捜査について批判的な論者も、収支報告書に記載された政治団体が完全なダミーであった場合は虚偽記載になることを肯定されています。
ただし、「完全なダミー」というのがどういう場合を言うのかについては明確な意見はなかったように記憶しています。
「ダミー」というのはダミーとして(ダミーの限度で)存在していることを前提とする議論であると解されますので、(1)のように全くの不存在である場合とは異なると思われます。
となると、何らかの形で存在しているがそれは政治団体とは認められない状態を言うことになりますが、そのような評価・判断は形式的判断とはほど遠いものであり、実質的判断と言わざるを得ないのではないかと思われます。
(4) さらに別の例を挙げますが、例えば(2)の例のように、西松建設の従業員の名前で献金する場合において、総務部幹部が従業員の甲に対して、「小沢氏の政治団体に献金したいのだが、君の名前を献金者として使わせてもらえないか。金は会社のほうでだすから君は名義を貸してくれるだけでいい。」と持ちかけ、甲がそれに対して「わかりました。どうぞ私の名前を使って下さい。」と承諾し、総務部幹部が甲の名前で献金して、収支報告書には甲から献金を受けたと記載された場合はどうでしょうか。
この場合は、甲は実在しており、甲の意思に基づいて会社の金が甲名義で政治団体に寄付されたということができます。
さて、虚偽記載かそうでないかどちらでしょうか?
私は、虚偽記載だと思います。
では、この(4)の場合の甲を、ダミーとは言い難い政治団体に置き換えた場合はどうでしょうか?
私の結論は、(4)と同様です。
以上は、客観的にみて(つまり事実として)虚偽かどうかの問題を考えてみました。
会計責任者(本件に当てはめれば大久保被告人)に故意があるかどうかは、その先の別問題になりますが、長くなりましたのでこのエントリはここで一区切りとします。
ただし、上記の各説例は、虚偽の意味を考えるにあたって想定したシミュレーションであり、本件が上記(1)ないし(4)のいずれかに該当すると主張するものではありません。
このエントリの続編は「虚偽記載とその故意(その3)」

http://motoken.net/2009/03/29-132406.html#comment-6251
モトケン先生
ろくろくび様
ありがとうございます。
私です。m(_ _)m今回の大久保被告問題について、法律の解釈論としてかなり勉強になりました。
小沢さんたちがしている事は、実質として「悪質だろ?」と発覚当初は感じていました。(小沢氏だけではなく、金額の大小はあれど、自民党の議員だって同じ穴の狢かい!とも思っていました。)しかし、どうもその後の展開を拝見してますと、民主党や小沢氏がやけに自信ありげな振る舞いにもみえましたし、あろうことか代表の座にまだ居座り続ける決断までしましたので、やっぱり法律は形式通りに守っていれば大丈夫なんだろうな、と思い始めました。
仰るとおりです。とほぼ同時期に、捜査側リークに対する弁護団の釘刺し報道がありましたので・・・、「大久保被告人の弁護団」スレへあのようなコメントをしてしまいました。
(何方か、法律論で是非ご教示下さい。という厚かましい気持ちもありました。)
m(_ _)m
私のような法律素人ですと、あっちへフラフラこっちへフラフラと流されやすいです。
根底には、次期総選挙では民主党を応援したいと思っていましたので、民主党の良い方向に考えたいという気持ちがありましたが、小沢氏に於かれましては、秘書の件は裁判結果は直ぐには出ないでしょうから、潔く代表を辞し、縁の下の支えになる気持ちで頑張ってもらいたかったです。
判事さんたちだけでなく、特捜の検事さんたちも司法なんですから、今回の件にしても、政治からは全く独立した正義感からの行動であったと思っています。
形式犯である免許証不携帯は道路交通に危険は生じません。道路の危険は、免許以前に運転者の技量とマナー(実質)です。
政治資金規正法違反(虚偽記載罪)は、政治資金の透明性に危険を生じませんか? そしてそれは政治家の偽装脱法行為の「技量」と政治の清廉性マナーそのものなのではないでしょうか?
なるほど、わかりやすかったです!
正直、郷原さんなどの説明を聞いて、モトケンさんの仰る事より筋が通っているのではないかと思っていましたが、この説明でわからなくなりました。
というか、郷原さんの言う事とモトケンさんの言う事とは、必ずしも矛盾対立するとは限らないのかもしれませんね。
(1)や(2)、あるいはたとえ(4)であっても、特捜にその立証ができるなら、大久保被告人は有罪に間違いないのでしょう。
報道から伝え聞く限り、一応の政治活動がいくらかはあったようですから、(3)のダミー団体のケースなのではないかと推測します。
あとは、限りなく(1)に近い「完全なダミー」なのか、真の主目的は献金だけど一応政治活動も目的として掲げるポーズをとる「半ばダミー団体」なのか、そこが公判で実質的に争われるのかな。
ただ、(3)であるとすれば、完全なダミーにせよ半ばダミーにせよ、次席検事が言ったように「看過し得ないほど悪質」とまで断じられるかは疑問だと思いました。
たとえ大久保被告人が「完全なダミー」だと思っていたとしても、「一応の政治活動実績を残しておけば、ぎりぎりセーフだろう」と思っていたのであれば、悪質とまでは言えなさそうな。
故意がないとは言えないかもしれませんが、違法性の錯誤にはあたって(悪くとも素人仲間の平行評価の未必の認識レベル)、非難可能性はそれほど大きくなく、看過し得ないほど悪質とまでは断じられない気がします。
租税回避のつもりが脱税だった、みたいな。
「政治資金規正法がザルだと思って法の穴をくぐり抜けようとしたけど、実は穴がつまっていて派手にぶつかって痛い目を見た。もう懲り懲りだから、いっそのことザルの穴を全て塞いで二度とこんな痛い目に遭わないよう、企業献金自体を禁止してしまおう。」
と小沢氏が本気で考えている可能性を以前モトケンさんが指摘していらっしゃったと思うのですが、これが当たっているとすると、やっぱり違法だけど悪質さは小さい罪だという気がします。
(4)の場合に該当しない企業献金というのはありうるのでしょうか。(4)が虚偽記載だとすると、およそ企業献金を受けているもののほとんどが虚偽記載に該当しそうなのですが。
政治資金規正法には、企業から議員の後援団体などの政治団体への献金を禁止する条項があり、受領者には罰則もあります。
でも今回の起訴は虚偽記載によるものです。
仮に今回の団体が西松の指示により「政党」へ献金した場合、外観的には団体名を書かなければ虚偽になりそうですし、実態面では企業名を書く必要があるかもしれない。今回の件が虚偽記載となるならば、企業名によらなければならないでしょうが、報告書上は実態面を立証できませんし、全く辻褄が合わない訳です。そういう報告書が出されれば、判断する都道府県選挙管理委員会は非常に困惑するでしょう。
素朴な疑問なんですが、検察はなんで企業献金禁止条項ではなく、虚偽記載でいったんですかね。問題の本質は、報告書をどう書いたかではなく、それが企業献金かどうかだと思うんですけどね。
検察がそこを問わないのであれば、国策捜査などというつもりは全くないですが、姿勢に疑問を感じます。
起訴事実は以下のようなもののようです。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090324/crm0903241909030-n1.htm
(ウェブ魚拓)
つまり、違法献金の授受それ自体も起訴されています。
ちなみに、虚偽記載の罪が前面に出てくるのは、虚偽記載のほうが違法献金の授受の罪より法定刑が重いからかも知れません。
犯罪の悪質性を比較する場合、一般論的には法定刑の軽重が重要な基準になります。
ちなみに、虚偽記載の罪の法定刑は「五年以下の禁錮又は百万円以下の罰金」です(政治資金規正法第25条)。
とても軽微な犯罪とは言えません。
なお、企業献金の受領の罪は、「一年以下の禁錮又は五十万円以下の罰金」です(同法第26条)。
質問なんですが、
小沢議員側としたら、
①西松建設からの献金と記載すれば、禁止されている企業からの献金となり、
②政治団体からの献金と記載すれば、虚偽記載となり、
いずれにしても、政治資金規正法に違反するわけですから、
献金の受け取りを拒否するべきだったということでしょうか?
西松建設から民主党支部に献金してもらえば合法です。
あるいはもう一段入れて、西松建設>民主党の政治資金団体>民主党支部 も合法です。
こうすれば金の出所もわかりません。
少なくとも容疑者には犯罪を犯す意図がなかったので無罪ではないでしょうか。それとも法律の錯誤なのでしょうか。
故意の要件として「意図」は不要です。
故意の本体は「犯罪事実の認識」です。
認識があったと認定された後で、違法性の意識(またはその可能性)が問題にはなりますが、判例は違法性の意識やその可能性を必要としていません。
元外科医様
私もそんな懸念も感じられていたのですが、故意を客観的に認定するための事実に基づくに足る証拠等により、本人がなんとしても犯罪の故意を認めない場合は、客観的には認定できるという表現として、「未必の故意」という判断はできないものでしょうか?
小沢氏の政治団体の収支報告書には関係が無くなるかもしれませんが、最初の西松建設>民主党の政治資金団体の段階での、民主党の政治資金団体の収支報告書には西松建設の名前が出ます。
西松建設が民主党の政治資金団体に献金した金は、西松建設が企業会計処理の上で不正の帳簿操作(今回はタイなど海外支店からの外為法違反の不正送金)をしてひねり出した裏金ですから、国税庁なりが西松建設を税務調査して摘発するリスクが格段に高まります。
元々が民主党の小沢氏サイドには、献金された政治資金が「企業からの金」であることを隠すというより、企業が「不正経理での裏金」というダーティマネーを、政治資金源としていたことを隠したかったのではないでしょうか。
政党の政治団体を間に噛ますことにより、西松建設の名前を表に出すことは、政治資金規正法の虚偽記載になるか否かという面では重要なポイントでしょう。しかし逆に民主党の政治資金の源泉がダーティーなブラックマネーであると暴露される危険性が高く、小沢氏率いる民主党の支持の拡大という政治目的からは、あまり得策ではないように思いますが・・・。
なるほど、外形的には合法でも実質は虚偽であるという資金の流れを本人は知っている以上、虚偽の記載をしたと思っていなくても犯罪に問えるんですね。形式犯と言っても奥が深いのですね。
西松の政治団体には、社員やその家族が会費を払い、その分は後で賞与に上乗せして補填していたとさかんに報道されました。そうならば、これは賞与として帳簿に記載されているオモテの金ということになります。
そもそもなぜ裏金を作るのかと言うと、公にできないような使途があるからですよね。例えば不正蓄財とか、暴力団関係に渡すとか、賄賂性の高い政治献金です。献金に使うなら収支書不記載のヤミ献金でしょう
あの~、昨年春からの西松建設絡みのニュースを、全てググッて頂き、そもそも何がきっかけで、西松建設&小沢氏の政治資金問題が事件化したかを再確認してみて下さい。
>西松の政治団体には、社員やその家族が会費を払い、その分は後で賞与に上乗せして補填していた
確かにそうした報道が在ったのは事実ですが、小沢氏以外の政治家への資金提供も含め、西松が献金した政治資金は全て社員名義であった、賞与で補填したお金なのでしょうか?
もし仮に、ボーナスで補填されていた社員本人は、西松建設の然るべき立場の人から事情を説明されて、本人も納得して身代わりとなって会費を払い、個人献金したかもしれない。でも社員の家族はどうでしょう?
個人献金の形で名前を出されている(当然政治資金収支報告書には名前が載ります)家族も、説明を受けて自ら会費を振り込み、後に西松社員宛てに支払われた賞与の上乗せ分での補填を、その家族の方は受領したのでしょうか?
多分そうじゃないでしょうね。ダミーの家族の方は自分の名前で献金されていることすら知らなかったのじゃないでしょうか?
何も説明も納得の無いまま、知らないうちに名義を使われた家族の方がいれば、それは「虚偽の名義による献金」でしょう。小沢氏側に何らの法的責任も発生しないかもしれませんが、西松建設と勝手に名義を使われた方の間では、問題があるはずです。
更に付け加えるならば、労働の対価として支払われる賞与は、給与所得として所得税を源泉聴取しなければなりません。しかし労働の対価ではない「建て替えた政治献金の補填分」である賞与金額については、給与所得ではありませんので西松建設は所得税法違反であることが明白です。
このように「後で賞与に上乗せして補填」する行為そのものが、政治資金規正法では問題にならなくても、他の法令上は違法行為となります。ですので政治資金規正法での収支報告書の虚偽記載のみを論じれば青魚様の「問題ない」という主張は成り立ちますが、日本の全ての法令上で「合法」ではありません。
なお昨年からの事件の経過については、私がまとめたものですが、下記を参照して頂ければと思います。
http://motoken.net/2009/03/09-190750.html#comment-6009
>というか、郷原さんの言う事とモトケンさんの言う事とは、必ずしも矛盾対立するとは限らないのかもしれませんね。
たぶん、基本的な考え方は一緒だろうと思います。
最も大きな違いは、虚偽記載の罪の悪質さの程度に関する認識だろうと思われます。
郷原先生は、かなり軽微な罪とお考えですが、私は決して軽くないと考えており、そこから虚偽性の判断基準の違いが生じているように思います。
No.15のコメントへの追加です。肝心なことを書き忘れました。
税法の面では、個人の政治家金(政党支部や議員の後援会などへの個人献金)は、その個人の所得税の申告において寄付金控除の対象となり、所得税が軽減されます。
ところが、企業会計と法人税の面では、企業の政治献金は損金経費として認められず、原則が益金課税されます。それに反して社員への所与支払いは給与として損金となる経費です。
よって、西松建設が社員名義で政治献金を行い、その社員へ献金分を賞与で補填した分だけ西松建設の法人としての利益は減額され、西松建設は法人税が課税される利益額が低くなったことになります。これは明白な不正会計処理であり、法人税法違反の脱税行為です。
とんでもありません。ご呈示の西松建設の行為は、企業会計処理の上は明白な不正経理処理であり、税法違反の脱税行為であって、裏のブラックマネーそのものです。政治資金規正法のことだけ考えて、合法のハズだと論じてみても、別の法令に違反するのであれば、それを「不正な金の流れ」と言うことは間違いでしょうか?
ただし、此処で指摘したことは、全て西松建設の不正不法行為であって、小沢氏の側に法的責任が在るや否やという評価には、直ちに繋がりませんが・・・。
モトケン先生、情報ありがとうございますm(_ _)m
虚偽記載で起訴されたと書いている記事が多かったので誤解していました。
社員や家族に献金させ、会社が補填する行為が合法的だとは一言も書いていませんよ。
西松建設本体>民主党の政治資金団体>民主党支部 なら今回起訴された政治資金規正法について合法だと書いただけです。
それに対して法務業の末席 さんが、それでは「不正経理での裏金」だとバレてしまうと書かれたので、
この部分には何か根拠がありますか?
と質問したわけです。
この事件が西松が持ち込んだ裏金の使途を捜査する過程で判明したということは知っていますし、二階経産相に関する報道でヤミ献金を行っていたというのがあったことも知っていますが、だからと言って今回小沢氏側への献金が裏金だったとは言えないと思います。
上場企業としての西松建設は、毎決算期毎の詳細な財務経理の内容を有価証券報告書として金融庁に報告しております。これは新聞に公告される決算財務諸表や、市販されている会社四季報などに掲載されている財務諸表と比較して、格段に細かな財務経理営業内容などのデータが記載されていて、金融庁(EDINET)や東京証券取引所などで誰にでも見れるように公開されています。
この有価証券報告書には、西松建設は今般問題になっている政治献金としての支出を一切記載していません。全ての政治的な金の流れを、西松建設は自社の経理帳簿や決算書などから意図的に秘匿して経理処理(社員の賞与や下請けの請負代金などで補填処理すること自体が経理上は秘匿行為です)しています。この事実は西松建設の過去数年間の小沢氏ルートや自民党の方面など、西松建設が提供した政治献金の全てが、企業会計上は裏金として処理されていたことを示しています。
西松建設の決算財務報告書や法人税申告書、或いは有価証券報告書には一切の政治的資金の流れを隠しているのですから、小沢氏側への献金がと言うより、西松建設が動かした過去数年間の政治的資金の全てが裏金だったということです。これが私の言わんとすることの根拠です。
元々が企業が政治献金するには、法人税務や企業会計上は非常に多くの制約があり、何時誰に幾ら提供したか判るように経理処理するか、使途を一切秘匿してその全額を利益として法人税課税の対象とされることを受け容れなければなりません。今回の西松建設は献金先が判明するよな公明正大な経理処理もしていませんし、使途不明金として決算処理して法人税の申告もしていません。
ですので西松建設には外為法違反だけでなく、法人税法違反が問われることになります。ただし税務当局の追徴課税処分や脱税摘発は、政治資金規正法違反の刑事裁判の進行に影響しないよう、検察と国税とか情報交換しながら進めていくことになるのが普通です。現時点では政治資金の刑事捜査が完全に週粒子ている訳ではありませんので、西松建設への国税庁の脱税摘発は、そうした検察の捜査終了後になると思われます。
今回の西松事件は、金の出し手の企業側で裏に隠した金を、受け手の政治家側で政治資金として表側に出すために、苦心惨憺してアノ手コノ手を駆使したことが事件の本質です。そのアノ手コノ手の手段テクニックを、小沢氏サイドはギリギリ合法だと認識していますし、検察特捜サイドはイヤそれは違法だと判断して摘発した、そういう見方ではないでしょうか。
自己訂正レス
最終の一つ前のパラグラフ
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ですので西松建設には外為法違反だけでなく、法人税法違反が問われることになります。ただし税務当局の追徴課税処分や脱税摘発は、政治資金規正法違反の刑事裁判の進行に影響しないよう、検察と国税とか情報交換しながら進めていくことになるのが普通です。現時点では政治資金の刑事捜査が完全に週粒子ている訳ではありませんので、西松建設への国税庁の脱税摘発は、そうした検察の捜査終了後になると思われます。
訂正後 ↓ です。
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ですので西松建設には外為法違反だけでなく、法人税法違反が問われることになります。ただし税務当局の追徴課税処分や脱税摘発は、政治資金規正法違反の刑事裁判の進行に影響しないよう、検察と国税とか情報交換しながら進めていくことになるのが普通です。現時点では政治資金の刑事捜査が完全に終了している訳ではありませんので、西松建設への国税庁の脱税摘発は、そうした検察の捜査終了後になると思われます。
有価証券報告書に政治献金が記載されていないことが、今回の献金が海外から持ち込んだ裏金だという根拠ということですね。
この時点で論理的におかしい気がしますが、一応反論します。
EDINETで2008年6月に提出された有価証券報告書を見ると、損益計算書の販売費及び一般管理費の中に「寄付金」という科目があり、平成18年度に1億8900万円、19年度に9400万円と記載されています。西松建設本体の献金はここに入るのではないでしょうか。
また、当たり前ですが迂回して社員の賞与に上乗せしていた分は「従業員給料手当」に、下請けの工事代金に水増ししていた分は「完成工事原価」に入ります。
何れにしても報告書には記載されています。
繰り返しますが、これらの行為が合法的だとは一言も書いていません。
午後は仕事で外出ですので、急ぎで2点だけ。
1:有価証券報告書に記載された寄付金の中には、政党などへの「政治資金規正法での収支報告書に西松建設からと記載」された献金が含まれています。ですが今回小沢氏の秘書が管理していた政治団体の収支報告書には西松建設の「にの字」も出て来ませんし、民主党支部などを経由して小沢氏の政治団体に寄付された金でもない。つまり起訴立件された政治資金の流れは、有価証券報告書の寄付金勘定に出ている分ではありません。また検察は現時点では全ての金の流れの証拠を開示しているわけではないので、私が西松建設の金の流れを1円谷間で正確に知っていて書いている訳ではありません。その点誤解を誘う書き方となっていたらs、その誤解は私の責任です。
2:迂回して社員の賞与に上乗せしていた分と、下請けの工事代金に水増ししていた分は、政治献金の補填分であれば、有価証券報告書の「従業員給料手当」「完成工事原価」の勘定費目に計上すること自体が、企業会計処理や税務会計処理の上で、何度も言うようですが明確に不正であり違法行為です。肩代わりして個人献金した社員個人の所得税や、下請け業者の事業所得としての税務上問題大ありです。数字の総額が載っているかではなく、どの勘定科目に載せて献金先を誤魔化したかを私は問題にしています。支出した金額の数字が記載されているるとしても、その記載方法(計上した勘定科目)に隠蔽や偽装の意図があるのは明白(賞与補填や下請代金補填に関して)ですから、その金の流れは裏の流れとい言えると思いますが。それとも企業会計処理や税務処理も含めて公明正大な金の流れなのでしょうか。
もう少し教えてください。
「実質的には西松建設」からの献金を「A政治団体」からの献金として報告書に記載した場合には、政治家個人が受け取っても、政党支部で受け取っても、「虚偽記載の罪が成立するのでしょうか?
もしそうならば、今回の献金が違法であることについて納得いくのですが。
真実の献金者は「西松建設」であると認定できるのであれば、報告書に「A政治団体からの献金」と
書けば、それだけで虚偽記載の罪にはなります。
しかし、政治資金規正法違反として見れば、政党支部は企業からの献金を受けることが認められていますから、実質的な悪質性はかなり違ってくると思います。
モトケン先生
ありがとうございます。
初めて書き込みいたします。
No.7 どららさん
No.8 青魚さん
この点についてどなたも指摘なさっていないようなのでコメントさせて下さい。
青魚さんのご指摘のとおりだと思うのですが、西松建設としてはそれでは困る理由があったのだと思います。
3月19日の読売の記事を一部抜粋します。
ttp://www.yomiuri.co.jp/feature/20090304-527751/news/20090319-OYT1T00019.htm
つまり、
【「西松建設」本体からの献金額を政治資金規正法の規定以下に収めるためには、「(西松建設OBが設立した)政治団体からの寄付」の形にする必要があった】
ということになります。
・大久保秘書の前任の会計責任者、高橋嘉信氏としては、献金額は多い方がありがたいと考えた。
・西松建設としては、献金額を多くすればするほど、何らかの形での見返りが期待できると考えた。
のであろうと想像されます。どちらにもメリットがあるからこそ、高橋秘書の時代に最終的にこの仕組みに落ち着いたのでしょうが、どちらが主導したのでしょうか。
それがもし明らかとなり、万一西松建設主導だったのだとしても、小沢氏側が免責されるわけではないとは思っています。
ただ、少なくとも西松建設としては、「西松建設からの献金額が政治資金規正法の規定を越える」ことは、検察の捜査を受けるまでもなく明からさまになってしまうわけですからそれは絶対に避けたかったことでしょう。
(長くなるので分けます)
(続きです)
「政治団体経由の献金の形をとったのは、同業他社を出し抜くためだった」という西松建設の『関係者の証言』も報道されました
ttp://mainichi.jp/select/seiji/news/20090321ddm041040026000c.html
がそれは後付けの理由のように思えてなりません。
単に、献金額が政治資金規正法の上限額を上回らないようにするための政治団体ということであれば、
全国に何千とある政治団体(2004年時点で8300: 参考URL↓)
ttp://www5.sdp.or.jp/central/topics/kiseihou.html
の設立理由、存在理由のメインは同じなのではないのでしょうか?
「現時点では優先順位の問題ですよ。優先順位に影響を与える重要な要素は、証拠と事件の規模です。証拠が固い事件のほうが優先順位が高く、規模(お金がらみなら金額)の大きい方が優先順位は高くなります。」とモトケンさんは指摘なさっています。
小沢氏側と西松建設のいわば持ちつ持たれつの関係が、西松建設と他の政治家との関係、あるいは同業他社と他の政治家との関係と比較して
・突出して悪質性が高かったのか?(あっせん利得処罰法での立件は、公訴時効3年の壁があって当初から難しかったのではないかと愚考します)
・突出して証拠がはっきりしていたのか。(特に、大久保秘書が、事前の聴取もなしにいきなりの逮捕=身柄拘束だったのは、よほど確たる証拠がすでに揃っていたからなのでしょうか?)
釈然としません。
もしモトケンさんが何かこれに関する情報をお持ちでしたら教えていただけるとありがたいです。
>もしモトケンさんが何かこれに関する情報をお持ちでしたら教えていただけるとありがたいです。
報道の範囲を超える情報は持ち合わせておりません。
>報道の範囲を超える情報は持ち合わせておりません。
回答をありがとうございました。
初めての書き込みです。
今回の事件に関して、ここで得られる情報は他とは比べるべきもない、良質のモノと考えます。
ただ私の理解力では判然としない部分があり、どうとらえるべきか、迷っている事があります。
今回の事件で、裏金であるかどうかの判断は西松建設の内部、それも今回の事件の中枢部でなければ判断できないのではないかという事です。
受け取った側(大久保被告)は、賞与として処理したため所得税法違反であるとか、寄付金扱いしていないとかを知り得る立場であったのでしょうか。
西松建設に献金の依頼をしたところ、西松の社員有志で構成された政治団体から献金があった。
その旨西松建設より連絡があり、礼状を送った。
この方がありそうな図式に思えます。
本来、西松建設の献金総額が規制水準を超えているかどうか、献金を受ける側が知るよしもなく、また社内の経理処理がいかなるモノなのかも社外からでは知りようがないでしょう。
西松建設が違法献金をしたところで、それを受け取った側が責を負わねばならない理由があるはずもないように思えます。
そこまで、社内における出金の詳細を知るところまで、大久保被告は西松建設に食い込んでいたのでしょうか?
そのため第三者名義での献金云々しか罪に問えなかったのではないかと考えますが、その発想自体ためにする訴追であったと思えるのです。
ちなみに、これら二団体は尾身沖縄開発庁長官(当時)への献金のために作られたモノだとの噂も聞いています。
私にとっては噂の域を出ませんが、その届け出の時期や尾身議員の政治資金収支報告書を精査する事で、「見るモノが見ればわかる」事項でしょう。
要は素人考えではありますが、悪いのは西松建設で大久保被告はそれに関連して「引っ掛けられた」のではないか。
このように見えてなりません。
これはまさに素人考えに過ぎないのでしょうか?
ご教示いただければ幸いです。