すき家ゼンショー、告発した店員を告訴「飯5杯盗んだ」(asahi.com 2009年4月15日21時0分)
店のご飯を無断で食べたなどとして、牛丼チェーン「すき家」を展開するゼンショー(本社・東京都港区)が、残業代不払いで同社を刑事告訴した仙台市の女性店員(41)を、窃盗などの疑いで仙台地検に刑事告訴していたことが分かった。地検はすでに店員を不起訴としており、店員側は「こんな手段で威嚇、報復するのは許されない」と反発している。店員側の弁護士らによると、ゼンショーは、商品用のご飯どんぶり5杯分を無断で食べたとする窃盗などの疑いで、店員を告訴した。店の監視カメラの映像が証拠だとしている。
店員は「ご飯に洗浄用ブラシの毛が入ったため商品に使わず、まかない用のおにぎりにした」などと反論。地検は今年3月、嫌疑不十分で店員を不起訴とした。
こんなことをやってたんですね。
ゼンショー広報室は告訴の事実を認めたうえで、「正式な法手続きで進めたことであり、コメントは差し控えたい」としている。
たしかにゼンショー側の告訴が違法とか虚偽告訴だとは言えないと思いますが(言う人がいても不思議はないですが)、企業のイメージというものをどう考えているのか、とっても疑問な告訴です。
たぶん、経営的にはマイナスなのではないかなと思われます。
個人でしたら損得抜きで意地を張る、という告訴があったりしますが、企業の行動としてはどうなんでしょ?
残業代不払いを理由とする従業員側の告訴を抑止する効果くらいしかプラス面が思い浮かびませんが、今後は会社側からのしょーもない告訴を織り込み済みで従業員側も告訴するでしょうから、あんまり抑止力にならない気がします。
ちなみに、店員さんに対する告訴ですが、店員さんに前科がないことを前提にしますと、およそ起訴される可能性がなかったものと思われます。

ゼンショーを告訴した側の方は、これでしょうかね。
http://www.seinen-u.org/sukiya-assen.html
ゼンショー側は、すき屋のアルバイトは業務委託契約であり、残業代は発生しないと言ったとか。
今回の告訴でマイナスになるだけのイメージがまだ残っていればいいですが(笑
私も、去年2月にこのニュースを見たとき以来、注目してます。
東洋経済online記事
首都圏青年ユニオン 「牛丼すき家 裁判概要」
労働委員会の審理において、代理人弁護士名義の準備書面で堂々と主張しているという点に凄みを感じます。
労働基準法 第104条 2項
使用者は、前項の申告をしたことを理由として、労働者に対して解雇その他不利益な取扱をしてはならない。
この条文で言う「不利益な取扱」に他の理由(本件では飯5杯の窃盗とという理由)が競合する場合、厚生労働省労働基準局では次のように解釈することとなっている。
『使用者が当該不利益取扱の挙に出たことについて、労働者が申告をしたという事実が決定的な動機になっている場合をいう。』
(厚生労働省労働基準局編「労働基準法」下巻971頁)
早い話が労基署への申告(告訴または告発も含む)に対する報復として、通常なら咎め立てしないような些細な法違反を逆告訴した訳ですか・・・。
No.2 fuka_fuka さんも書いているが、窃盗罪の告訴状を書いて出した代理人弁護士は、どんな気持ちだったのだろうか。
ゼンショーという会社が、法令に対する意識がどれほど情けない会社なのか、透けて見えるような行為ですね。当然労基署の方も面白くはないでしょうし、定期的な労基署の立入調査などでは、今後は徹底的に厳しく臨まれるでしょうね。
このバイト社員に意趣返しをしても得になることは何も無く、損失の方がはるかに多い刑事告訴でしょう。
モトケンさんの別エントリじゃないけれど、損得の計算が出来ない人間(法人)には何を言っても無駄なのかもしれません。
彼ら自身が主張している業務委託契約と、うち引き(スタッフによる万引き)はそぐわない主張であると思うのですが
業務委託契約ならば原材料の無駄遣いも節約も裁量の範囲になるのでは?
こんなの窃盗で立件されるはずがない(理論上は犯罪成立するにしても)、ということは前提として確認のうえですが。
とはならないです。
通常の業務工程の中で一定割合で生ずるロス・不良品などについては、「窃盗」の外形もないし、「盗もう」という故意もない。
正真正銘の業務委託契約だとしても、その工程で使用する原材料を、自分のものにするためにパクって持ち出せば、それは業務委託契約の範疇外であり、当然に窃盗あるいは業務上横領(法的な「占有」が委託側・受託側どっちにあるかによる)になります。
「無駄遣い」の定義にもよりますが、意図的なものも含む趣旨であれば、許されているというのは間違いです。
正真正銘の業務委託契約であれば、原材料→(ブラックボックス)→完成品、となっているので、意図的な無駄遣いが発覚しにくいというだけです。
意図的な無駄遣いが発覚すれば、契約違反として責任を追及されるし、理論上は窃盗や業務上横領にもなる。
ゼンショー側の告訴は、理論上はおかしくはないが、常識ないし法律実務に照らして異常だ、ということです。
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