闘う弁護士軍団が一転検察官に 大阪弁護士会の刑事弁護委(産経ニュース、魚拓1、2、3)
検事は、常に辣腕弁護士ならどのような弁護活動をするだろうかということを考えて仕事をしています。
同様に刑事事件の弁護人になった弁護士は、検事はどういう捜査や立証をしようとしているのかを考えて弁護方針を検討します。
つまり、相手の立場に立つ視点を持っています。
ですから、刑事弁護を多く手がけてきた刑事弁護委員会の弁護士が指定弁護士になるということは、適材適所と一応言えます。
しかし、活動の方向は全く逆になります。
つまり被疑者の不起訴、被告人の無罪を主張してきた刑事弁護士が、被疑者を訴追し、有罪にするための証拠収集活動や公判における立証活動を行うことになるからです。
ですから、
このため、同委員会内部では指定弁護士について「国家権力よりも被告人の味方でいたい」「大事な役割だが、積極的にやろうとは思わない」などと拒否反応を示すメンバーも少なくない。
というのは、当然の反応ですが、
森下弁護士は「弁護活動はすべて『被告人のため』が主眼。これまでは自白事件でも適正な量刑を訴え、検察官や被害者と対立してきた。だが立場が変われば割り切ってやる。むしろ複眼的に事件をみる力は弁護士にある」と話している。
という考えの弁護士もいます。
どちらもありだと思います。

>こういう科白が口をついて出てくるような弁護士さんの理想郷と言うのは、無政府状態で治安劣悪な犯罪無法地帯なんでしょうかね、まったく。てなもんです。
それは言い過ぎです。
法秩序の枠内におけるスタンスと長らく維持していたスタンスに基づく正直な信条ないし心情の表明と思われます。
なるほど。
ちょっとばかり、ここ最近の「宣伝マン」とのやり取りで色眼鏡がかかってしまったのかも知れません。
・・・と言う自分のことを棚に上げて八つ当たり気味に愚痴りますと、例の人物のごときアジテーションは、こうやって色眼鏡で弁護活動を見る人を増やすことにも繋がりかねない・・・とも思います。
「検察官の役割は被害者の思いをくむことが重視されることから」
という視点から見れば、「国家権力よりも被告人の味方でいたい」という信条にも必ずしも反しない場合が多いのではないかと思いますが(もちろん立場的には「被告人」の味方ではないが)、信条に反する事案でも受けなければならないとなると、躊躇するのも分かる気がします。
事案によって受任を断ることができるのならばやっても良いという方も居られると思いますが、少ない人数で持ち回りになると、なかなかそう言うわけにもいかないですかね。
我々の業界では、バイヤー(仕入担当)はセールス(販売
担当)を経験してからその職に就くことが多いです。
仕入先の考え方や苦労がわかるので、良い仕入れが出来ると
考えるからです。
ただし、バイヤーもセールスも会社の利益を確保するという
目的と商いのルールを守るという立場は同じです。
で、
「むしろ複眼的に事件をみる力は弁護士にある」
加害者になるより被害者になる確率の方が高いとかってに信じている
私にとっては、説得力がある言葉だと思います。
優秀な法曹なら、検事が弁護士になっても、弁護士が検事役を務めても、成功を収めると思います。証拠と事実認定に自らを厳しく律して、なるべく客観的に事案を分析し、バイアスや予断を排して問題の解決に当たられるからだと思います。
かなり昔ですが、実務家や学者とディベート研究をしたとき、ハーバード流ディベートのサルまねをして、プロコン交代(自分の信条と反対の立場で議論)をしたとき、自他共に認める死刑廃止論者の急先鋒の弁護士先生が、並みいる死刑廃止論の大学教授をなで切りして、死刑維持論のトップとして優勝したことを想起します。
当時は若手だった30期代の弁護士先生でしたが、賞状授与の挨拶で「自分の偽悪家のヒネクレタ性格が役に立った(爆笑)」などとユーモアたっぷりにスピーチをされてました。ホントは誰もが認める人格者で信念に基づき死刑廃止運動をされてましたが、透徹された目で自説の欠点や弱点を躊躇なく認める出来た人でした(遠い目。
森下弁護士は過去に、特別公務員暴行陵虐罪(刑法195条)による付審判事件の検察官役を務めた経験から、おっしゃっているのでしょう。
三上孝孜、森下 弘『裁かれる警察―阪神ファン暴行警官と付審判事件』
http://www.amazon.co.jp/gp/product/453551075X/
森下弁護士の講演を聴いたことがありますが、
検察官の捜査指揮について、この事件では被告人が警察官ゆえ、捜査を依頼すると警察は拒否はしないものの、非協力的な態度で、やりにくかったとのことです。
その点、検察審査会の起訴相当決議による事件では、警察犯罪ではない、一般の事件であるため、警察が非協力的になる理由は無いと思われます。
わかりやすい解説をありがとうございます。
>その点、その点、検察審査会の起訴相当決議による事件では、警察犯罪ではない、一般の事件であるため、警察が非協力的になる理由は無いと思われます。
検察審査会の起訴相当決議に関係する事件として、身近な
場所で起きた明石市大蔵海岸花火事件が念頭にあります。
神戸新聞にも節目には大きく報道されますし、地元では
風化したという感覚はあまりないです。
(正直、それ以外はあまり知らない。。。)
明石署の署長と副署長が不起訴になったと思いますが、市民
感覚ですと、その立場から不起訴に為ったのでは?とか、
現場に責任押し付けて!と思ってしまうのが正直な気持ちです。
市民感覚というよりサラリーマン感覚かも知れませんが。
それゆえに
>「むしろ複眼的に事件をみる力は弁護士にある」
加害者になるより被害者になる確率の方が高いとかってに信じている
私にとっては、説得力がある言葉だと思います。
と、期待感を吐露したという感じです。
初歩的な質問なのですが、
1.指定弁護士に逮捕権などの操作権力は付与されるのでしょうか。
2.どのような証拠を基に立証作業をおこなうのですか。
警察や検察の持っている証拠を漏れなく取得可能なのでしょうか。(余り重要でないと思ったので記録しなかった証拠などについては無理でしょうが)また可能な場合どのようにそれが担保されているのでしょうか。
3.弁護側の弁護士は検察側に偉い人が並んでいた場合、控えめな行動を取ってしまわないのでしょうか。
指定弁護士は、検察官の職務をおこなうことができます。
ただし、警察への捜査指揮や強制任意を問わず補充捜査を行うときは、検察官に嘱託して行ってもらうことになっています。
指定弁護士は、捜査記録全部を引き継いで公訴維持活動を行うことになっています。未収集の足りない証拠や補充捜査の必要を認めたら、上記のとおり、検察官に嘱託します。
それは民事刑事を問わずありえる状況設定ですが、弁護士の先生方は、先輩への礼儀を尽くしても、訟争は遠慮なくやられているのが普通です。ここが他の業界と違うところかなと思います。
実際、弁護士3年目の先生が、元最高裁判事の大弁護士相手に容赦なくビシビシとやられていたのを見たことがあります。
森下先生はバリバリの弁護人肌なのかと思いきや、もともとは検察志望だったそうです。
弁護士になったのは、検察修習の取調中、のらりくらりと逃げる被疑者に対してキレて、机を叩いて大声で怒鳴ってしまったからだそうです。
「自分を抑える自信がないから、思いっきりやれる弁護士になった」と仰っていましたから、意外と検察肌なのかもしれません。
刑事弁護も、被告人の利益のためと言うより、刑事司法の廉潔性のために一生懸命にやるのだ、というのが持論ですしね。
そういう意味では、森下先生は指定弁護士に持ってこいかも。
割り切るのはうまいですしね。
橋下氏のブログにて、名指しで「チンカス」呼ばわりされても気にしていませんでした。
質問しっぱなしで失礼しました。
3.については、有る程度納得できました。
1.2.について、強制力の有る担保は無さそうですね
有罪を勝ち取る(勝ち取るって言葉は違和感ありますが)のは大変な仕事みたいですね。