「即決裁判」は合憲 最高裁が初判断(asahi.com 2009年7月14日11時41分)
即決裁判に合憲判断 最高裁(東京新聞)

 即決裁判についての簡単な説明としてウィキペディア(即決裁判手続)をリンクしておきます。

 報道にもあるように即決裁判手続は事実誤認を理由とする控訴ができないことが問題になりますが、最高裁は合憲判断をくだしました。
 私としては妥当な判断だと思っています。
 
 ウィキペディアの説明には「いわゆる司法取引そのものには当たらない。」という記述がありますが、これは「司法取引」の定義の問題だろうと思います。
 私も司法取引というには弁護人の権限が不十分だと思いますが、司法取引の一歩手前の制度だと言っても差し支えないと考えています。

 ところで、司法取引については

司法取引制度は、無実の人間を刑事処罰することに繋がる、一種の「冤罪を生み出すシステム」となりうるからです。

という危惧感を示す弁護士がおられます。

 そのような危惧があることは多くの法曹や法学者が認めるところだと思います。
 私も同様です。
 その観点では、この裁判の被告人の主張が示しているように即決裁判手続においても同様の問題があります。
 司法取引と言うかどうかとは関係なく、被告人の同意によって事実誤認による控訴権が失われるのですから、本質的に同様の問題が生じるわけです。

 しかし、最高裁は合憲判断を下して制度の存在意義を認めたわけです。
 どんな制度もメリットと同時にデメリットがありますし、本来的な制度趣旨に従って運用される場合もあれば、必ずしも制度趣旨に則らない運用のされ方をする場合もあります。後者の場合は、デメリットや弊害が目立ってくることになります。

 ともかく即決裁判手続は、必ず弁護人の補佐のもとに被告人が同意するということが大前提になっていますので、制度が適切に運用されるためには弁護人が職責を適切に全うすることが重要です。

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コメント(18)

エントリ趣旨と無関係ですが。

カテゴリとタグの付け方が間違っています
>カテゴリ:刑事司法全般,小倉秀夫問題
>タグ:小倉秀夫

ブログTOPの表示が、「小倉エントリ」のほうに分類されています。それだけで、読まない人もいると思って。

>最近のモトケンブログの小倉秀夫関連エントリ
>即決裁判手続に合憲判断(07/14)
>小倉弁護士の藁人形論法を小倉弁護士自身に適用すると「小倉弁護士は犯罪者天国を作ろうとしている。」ということになるというお話。(07/02)2009:07:02:19:28:57
>最近のモトケンブログの惨状について(06/28)2009:06:28:11:46:22
(以下略)

★このコメントは用済み後は削除してください

http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20090714111321.pdf

判決がアップされてますね。最近は

 法はよく知りませんが、司法制度の是非を司法自身が判断するって、何か変な感じがしますね。自分で自分のテストに満点をつけて成績を優とするみたいな・・・。
 裁判員制度自体も訴訟の対象になるでしょうし。

即決裁判手続は、事実誤認による控訴権が無い。
このことを今回の被告人は何処まで理解していたのか?

そして控訴権が無いことがどのようなリスクを生むのか、即決裁判を提案する検察官だけでなく、弁護人もまた説明して理解させる必要がある。もし仮に「即決裁判にウンと言えば、直ぐに保釈で出られますよ」というメリット(目先の)だけしか説明しなかったのであれば、その弁護人は依頼人の最大の利益を失念している。

以下に少々長文ではあるが、当該最高裁上告棄却決定の原文より、宮田判事の補足意見をそのまま引用する。引用者が太字強調した部分は、まさしくモトケンさんや私と同じ趣旨を述べた部分はなかろうか。

裁判官田原睦夫の補足意見は,次のとおりである。 即決裁判手続は,法廷意見にて判示するように,被告人の自由意思による選択によってなされるものであり,刑事訴訟法は,被告人の意思の確認につき書面化を求め(350条の2第2項,3項),また,必要的弁護事件とする(350条の9)と共に,弁護人の同意を必要とする(350条の2第4項,350条の6)等,その意思確認につき慎重な手続を定めている。 本件では,記録上,弁護人は,被疑者段階で選任され,また,公訴提起の前日付で被告人及び弁護人の即決裁判手続によって公訴を提起することについての同意書が提出されているのであって,訴訟手続上,全く瑕疵は存しない。 それにも拘わらず,本件で,控訴,上告までなされているということは,被疑者段階並びに一審公判手続の過程において,被告人が即決裁判手続の制度について十分な理解をしていなかったことを示すものであって,一審弁護人と被告人間の意思疎通が十分でなかったことを窺わせるものであり,本件においても上告趣意書において,種々主張がなされている。 刑事訴訟法は,弁護人が被疑者(被告人)に対して,弁護活動の一環として,即決裁判手続の意義及びその内容について,適切な助言がなされていることを前提として制度を組み立てているのであり,弁護人の弁護活動の内容如何についてまで,公判手続で立ち入ることは,法が想定していないところである。 言うまでもないことであるが,弁護人が被疑者(被告人)との意思疎通に十全を期し,本件の如き上訴が提起されることがないことを願うものである。

なお、即決裁判手続での有罪判決であっても、無罪を申し立てての再審請求の途は、刑事訴訟法の上では保障されている。本件上告は、上告棄却決定の主文を読む限り、被告人は冤罪での無罪主張ではなく、有罪であることは事実として認めるが、1審で認定された犯罪事実の認定について事実誤認を申し立てている。

連投スマソ。
私が想像するに、この被告人の心理はこんな感じじゃ無かろうか。

---------(以下推測ストーリー)---------

オレがヤッたことは確かだし、有罪だってことは認めるけど、1審判決に書かれたほどオレは極悪非道のことをヤッちゃいないので、ソコントコだけ1審の判決文を直して欲しンだ。とにかく量刑の懲役1年執行猶予3年をもう少し軽いもの、出来れば罰金刑ににして欲しいなぁ。だってパソコン1台の事件だぜ、いくら執行猶予付きだって懲役1年は重すぎらぁ、罰金刑で済ませてくれたって良いじゃねぇか。

大体さぁ、執行猶予が付いたって懲役刑の判決だったら、オレみたいな国家公務員である自衛官は自動的に免職だし、退職金だって規程で貰えなくなる。たったパソコン1台の事件で、ン千万円の退職金がパーにされるなんて、非道い話じゃネェの。即決裁判をオレに勧めた検察官も弁護士も、執行猶予は付くとは説明したけど、執行猶予付きでも懲役刑の判決なら、国公法38条の規定で即日免職だなんて誰も教えてくれなかった。バッカヤロォー、弁護人のせいだ、オマエが最高裁に掛け合って何とかシロ!

-------(推測ストーリーはここまで)---------

以上は、全くの根拠を持たない、私の脳内想像でのストーリーですので、くれぐれも事実であるとか、モトケンさんなど私以外の者が同じことを言っていたなど、誤読・曲解・拡大解釈をなさらぬよう、読まれる方は呉々もご注意の程、お願い申し上げます。

そこまでお考えなら最初からPC盗まなければいいものを。。。

そのくらいなら勝手に持ってってもバレないと思っての出来心では?

司法機関は法制度の運用者ですが、法制度の策定者ではありません。
立法府が策定した法制度が、国家の最高法規たる憲法に照らして適法か否かを審査するのは裁判所(最高裁判所)の重要な責務です。(憲法81条)
一般的には違憲立法審査権と呼ばれています。

 たしかに過去ログの表示場所の問題としては一般エントリ扱いのほうがいいと思いますのでカテゴリ分類は変更しました。

>それだけで、読まない人もいると思って。

 それは残念(^^;
 でも読んで欲しいんですけどね。
 私は(小倉弁護士はともかく)単なる私怨でこのブログに書いているわけではありませんので。
 ミランダの会の最左翼の弁護士でも言わない無知無理解の妄言を書き散らして刑事司法に対する誤解をばらまいているのはほっとけないわけです。
 はてブを見ると、小倉弁護士のエントリを信じている人もいるようですので。

 しょーもない突っ込みですが、業務上横領には罰金刑がありません。

しょーもない突っ込みというよりしろうとは何にでも驚くのですが。(笑
軽い窃盗の場合は罰金刑も有りになってるんですよね?
業務上横領には罰金刑がないんですか?

窃盗より業務上横領のほうが重いのでしょうか?
心理的にはスーパーでトイレットペーパーを万引きするより職場のトイレットペーパーを自宅用に持ち帰るとかのほうが垣根が低そうに感じるのですが。
心理的な垣根が低い分、きつく咎めて防止するとかの意味も??

>業務上横領には罰金刑がありません。

そういう説明も、この被告人は受けていなかったのだろうと・・・。

これは、私の頭の中での想像です。

もう一つ。

>業務上横領には罰金刑がありません。

だからパソコンを持ち帰ったのは横領じゃネェ、
単純な窃盗だって言っているダロ。

窃盗なのに業務上横領っていう事実認定されたから、
ソリャ違うって控訴して、さらに上告までしたんヤ。

1審での事実認定が窃盗なら、罰金刑で済んだハズだ!
罰金刑なら国公法38条での免職にはならなかったハズだ!

以上も、モチロン私の頭の中での想像です。

> 窃盗より業務上横領のほうが重いのでしょうか?(No.11 沼地 さま)

●刑法
(窃盗)
第235条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

(横領)
第252条 自己の占有する他人の物を横領した者は、5年以下の懲役に処する。
2 自己の物であっても、公務所から保管を命ぜられた場合において、これを横領した者も、前項と同様とする。

(業務上横領)
第253条 業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、10年以下の懲役に処する。

(遺失物等横領)
第254条 遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金若しくは科料に処する。

------
法定刑を比較すると

 業務上横領 ≧ 窃盗 > 単純横領 > 遺失物等横領

昔は窃盗罪に罰金刑がなく、業務上横領と全く同一の刑でした。

普通に考えて、横領とは、自分の手許にある預かり物をガメることですから、
他人の手許にある物をかっぱらうよりは、まだ罪質が軽いといえます。

しかし、知人から個人的に預かった場合と違い、業務として預かっていた場合は、重く処罰されます。
「俺は窃盗なんて大それた悪事はできないんで、横領しました~」とか言って、ソレ仕事で預かった物なら、窃盗罪と同じ刑だよ(現行法ではむしろ業務上横領のほうが、罰金刑が無いだけ重い)と説明すると、驚く人は多いです。
でも、実際には、他人物を持たされるのは、個人的にというより、仕事でのほうが、多いのではないかと思います。

業務上横領の例としては、
集金人が仕事で集金してきたお金を取ったとか、宝石店の店番を任された店員が商品の宝石を取ったとかいうようなものです。
会社の事務用品として支給されているボールペンを、家に持ち帰って私物化する行為は、厳密には業務上横領罪です。
勤務先の社屋のトイレに備え付けてあるトイレットペーパーについては、物品管理者でもない限り、一般の従業員にとって自分の占有下にあるとは言えないので、普通に窃盗罪が成立すると考えます。

詳しい説明ありがとうございました。
ふむふむ仕事でまかされてるのに持ってっちゃうから余計悪いというわけですね。
で、職場のトイレットペーパーはトイレ掃除の係りの人がごっそり横流しでもすれば業務上横領で関係ない職員だったら窃盗。
確かにしろうとには判りにくいですから即決裁判手続で処理しようと考えた場合、しっかり法律を調べないといけませんね。

ちょっとどうでもいいことを追加。
「ガメる」という表現がすっごく懐かしいです。
九州以外でも使われているのでしょうか。
確かにこの場合は盗むじゃなくてガメるって感じですよね。

とりあえず関西圏では使われております。

そういえばガメくり麻雀なんて言葉があったなぁ。

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